建築CGパースとは?種類や効果的な使い方を徹底解説

『建築CGパース』とは、端的に言うならば『建築物の完成予想図』で、コンピュータの3DCG技術を用いり描画されたものを指します。

建築CGパースは建築物を設計する際に必要なもので、デジタルが主流になった今、利用される機会がますます増えています。

「CGパースとは?」
「どうやって書くの?」
「CGパースの種類や、使い道を知りたい」

そこでこの記事では、上記のような疑問を持つ方に向けて、建築CGパースの種類やメリット、効果的な使い方について解説します。

建築CGパースについて知り、業務に役立てたいと考えている方はぜひご一読ください。

 

建築CGパースとは?

建築CGパースとは、『建築物の完成予想図を立体的に表したもの』です。

建築物の設計は、従来は2DCADなどを用い、平面的に作成するケースがほとんどでした。
設計者や施工者間であれば問題なくできますが、書き込まれている寸法や材質などから建築物の完成図を想像することは、専門外の人にとって難しいことです。

そこで素人・初心者でも、すべての人が見ただけで建物の完成形を理解・想像できるようにするのが、建築CGパースです。
建築パースには、鉛筆や着色画材を用いる「手書きパース」と、コンピュータのモデリングソフトや3DCAD、BIMなどを用いて描画する「CGパース」とがあります。
当記事で説明するのは後者のCGパースです。

建築CGパースは、以下の特徴を持っています。
・光源設定や質感設定を自由自在に変えられる
・手書き以上によりリアリティのある描写を期待できる
・モデリングや3DCGについての理解も必要
・手書きよりも敷居が高く感じられる
・さまざまな種類がある

まずは上記の特徴があることを知っておきましょう。

 

建築だけじゃないCGパースの種類とは?

CGパースには建築CGパースをふくめ、下記の4つのパースが存在しています。

・建築パース
・土木パース
・プロダクトパース
・インテリアパース
順番に説明していきます。

建築パース

建築パースとは、当記事でも解説している、建築物を描画したパースのことです。
外観パースでは、周囲の環境との調和やスケールを確認でき、内観パースでは家具の配置や太陽光の入り方などを検討できます。
直感的にわかる建築パースは顧客と設計者間の認識の食い違いを防止できるため、住宅や施設のデザインを検討する上で重宝します。

建築外観パースとは?手書きや書き方、種類を解説

【初心者】建築パースとは?種類から書き方まで徹底解説!

 

土木パース

土木パースとは、駅や道路、橋梁など、主に道路インフラに関わる建設物を描画する際に用いられます。
スケールが大きいことが特徴で、橋梁や高速道路が建つことで、周辺にどのような影響を与えるかなどの検討を容易にします。
また橋梁や高架道路は、設計が複雑です。
二次元図面と比較して、複雑な設計もわかりやすく描画できることが、土木パースのメリットと言えるでしょう。

 

内観パース

内観パースは、建物の内観を描画したものを指し、住宅に限らず商業施設や公共施設の内装も含まれます。
内観パースを用いることで、内観の雰囲気や構想、色合いなどを直感的に理解できます。
そのためインテリアデザインの検討や意見のヒアリング、マーケティングなどにも利用される機会が多々あります。

内観パースについては建築内観パースとは?手書きや書き方から種類まで解説にて詳しく解説してるので合わせてご覧ください。

建築内観パースとは?手書きや書き方から種類まで解説

 

プロダクトパース

プロダクトパースとは、工業製品の完成形を描画したものです。
工業製品であればジャンルを問わず、すべてプロダクトパースと呼称します。

椅子やテレビ、ソファなどの建築内観パースでも描画されるものから、自動車や車いすなどの複雑なものや、靴やイヤフォンなどの日常的なものまで含まれます。

プロダクトパースは、設計検討段階から製品の広告まで幅広く利用されます。
アニメーション機能を利用し、実際にフタや扉が開いたり、ソファのリクライニング機能などを表現したりするケースもあります。

 

建築CGパースの効果的な使い方を解説

CGパースが用いられる場面には下記のようなものがあります。
・建築設計のプレゼンテーション、企画検討時
・建築物の広告・宣伝
・顧客との意見交換時
・建築物の設計意図の説明時
・建物のシミュレーション時

これらの場面で使われるCGパースの効果的な使い方を解説していきます。

 

建築設計のプレゼンテーション、企画検討時

1つ目の使い方は、建築設計の企画検討時やプレゼンテーション時に利用することです。
新しく建築物を作る際、スケールや仕様、間取りなどについて、複数の設計者や非設計者を交えて企画検討するケースがあります。

その際、平面図や言葉による説明だけでは意図が正しく伝わらず、認識に食い違いが起きてしまうリスクがあります。
認識の食い違いを防止するために、建築CGパースの利用は適しています。
さまざまな方向からシミュレーションでき、かつアニメーションを利用できるので、より現実的に検討を進めることができるでしょう。

 

建築物の広告・宣伝

2つ目の使い方は、建築物の広告や宣伝です。
たとえば新しい分譲マンションを建てる際、完成予想図を建築CGパースで描画し発表することで、早期から入居者を募ることができます。

また役所などの公共施設や商業施設を新築・改築する際も、建設中から建築CGパースを発表することで、完成前から利用者に館内図を理解してもらえるでしょう。
作成した建築CGパースは、建築物の完成後も、館内マップや修繕用マップなどとして再利用できます。
建築後の業務改善にも役立つので、作成して損はありません。

 

顧客との意見交換時

3つ目の使い方は、顧客との意見交換時です。

住宅やオフィスを建設する際、顧客とデザインや間取り、使用する材質について意見交換をします。
顧客は設計者と違い、建築に詳しい人ばかりではありません。

そのため平面図や言葉で説明するだけでは、実際の完成図をイメージしづらいというデメリットがあります。

しかし建築CGパースを利用すれば、顧客は建築物について直感的に理解できます。
顧客と設計者の理解レベルの水準を同じにすることで、よりスムーズに意見交換ができるでしょう。

 

建築物の設計意図の説明時

4つ目の使い方は、建築物の設計意図の説明時です。
会議で図形や写真を用いた資料が作られるのと同じように、建築物の設計意図を説明するときは、わかりやすい資料が必要です。

実在する類似した建築物を引用する方法もありますが、それでは説明資料として不十分な場合もあるでしょう。
そこで建築CGパースを利用することで、より詳細でわかりやすい説明が可能になります。

 

CGパースを使うことによるメリットとは?

ここまで解説したCGパース、活躍する場面も多そうですよね。
そこでどんなメリットがあるのか、改めてまとめておきます。

① 直感的にわかりやすい
② 修正時に全て書き直す必要がない
③ 調光やスケールのシミュレーションが容易

CGパースを使うメリットについて順番に説明していきます。

 

①直感的にわかりやすい

1つ目のメリットは、間取りなどの情報が直感的に理解できることです。
建築CGパースは、2DCADなどで描画する平面図とは違い、立体的な表現を可能にします。

そのため言葉で説明するよりも、より感覚的に建物の形状などを把握することができます。
直感的に理解できることで、よりよいデザインや間取り、家具の配置などを思いつくきっかけにもなるでしょう。

 

②修正時に全て書き直す必要がない

2つ目のメリットは、パースの修正時にすべて描き直す必要がないことです。
手書きで建築パースを描画した場合、修正があると1から再度描き直しになってしまい、時間と労力がかかります。

しかしCGパースであれば修正部分のみ描き直し、上書き保存してしまえば問題ありません。
作成コストを最低限まで減らせるところが、CGパースの魅力です。

 

③調光やスケールのシミュレーションが容易

3つ目のメリットは、光の入り方や、昼夜での雰囲気の違い、スケールなどのシミュレーションが容易なことです。
建築CGパースはコンピュータを利用して描画するため、シミュレーション機能を併用できるところが特徴です。

光源設定で実際の時間経過を再現し、アニメーションとして保存することもできるのです。
シミュレーション機能を利用すれば、その建物で生活している姿をよりリアルで思い描くことができます。

 

建築CGパースとは?のまとめ

建築CGパースとは、建築物の完成予想図のことで、コンピュータを用い立体的に描画されるところが特徴です。

建築CGパースを利用することで、すべての人が対象の建物について直感的に理解でき、実際に利用しているところを容易に想像できるようになるでしょう。

利便性と創造性が高い建築CGパースは、建築物の企画段階からデザイン設計段階、宣伝やプレゼンテーション時にまで幅広く利用されています。

利用するためには建築だけでなく、モデリングについての知識も必要になりますが、利用する価値は高いと言えるでしょう。

企画の検討段階から施工まで長期的に利用できる建築CGパースは、専門の設計士に外注することで、より正確で緻密な設計が可能になります。
「外注に興味がある」
「急いでCGパースを作成してほしい」
上記のように考えている方は、ぜひご相談ください。

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